日本の食料を巡る示唆に富む講演
5月19日、東部土地改良協議会(会長:鹿熊)は、進藤金日子参議院議員を講師に招いて、「日本の食料を考える」のテーマで研修会を開催した。
とても示唆に富む講演であった。
印象に残った内容を紹介する。
■食料・農業を取り巻く状況の変化
国内人口の減少-2020年1億2586万人⇒2050年1億190万人(△20%)
世界人口の増加-2020年78億人⇒2050年98億人(+30%)
国内市場規模の減少の一方で、世界の農産物市場は拡大の可能性が高い。とすれば、日本の農林水産業の国際競争力を強化し、輸出産業への成長を目指した強い農林水産業の構築が急務。
■主要国(G7)の食料自給率(カロリーベース)の変化(1965年-2018年比)
日本73%⇒37%(△36%)とイタリアが減少に対し、イギリス45%⇒65%(+20%)、ドイツ66%⇒86%(+20%)、フランス、アメリカ、カナダの5カ国は上昇させている。また、フランス、アメリカ、カナダは100%を超えている。
■日本の食生活の変化と長期的な食料自給率の変化(1965年-2020年比)
油脂類のシェア(6%⇒15%)、畜産物のシェア(6%⇒18%)、米のシェア(44%⇒21%)のような食生活の変化に対し、国内生産で対応が困難なものが増えたことが食料自給率低下(73%⇒37%)の大きな要因。
■食料安全保障政策推進の観点から、食料自給率・自給力の向上を図るため、水田フル活用施策を重点的に実施する。