北アルプス横断道路構想推進会議の講演会-竹内 章富山大学名誉教授

10月21日、北アルプス横断道路構想推進会議講演会(会長:宮腰光寛衆議院議員)があった。講師は富山大学名誉教授の竹内 章先生、演題は「飛騨山脈の地質構造と地殻変動」。先生は、火山帯のリスクの実体=高温岩体(火山体)+活断層の複合システムであるとし、懸念される課題として、①火山地帯特有の高い地熱、②強大な地圧による高圧の大量湧水、③深層崩壊と残土処理を挙げられた。そして、リスク回避の課題として、①火山体の貫通や近傍の通過を避けること、②最新期花崗岩特有の高い地熱地帯(高熱隧道)を避けること、③深層崩壊地や群発地震地帯を避けること、④大量高圧湧水を誘う氷河地形と開口断裂を避けることを挙げられた。最後に、先生は、適地性が検討可能なルートの候補として、複雑な地質構造より単純な方が望ましいことから、有峰・七倉ルートを例示された。

今回の講演会は、この構想自体を再考するに十分な内容であったように思う。

会長代行の村椿魚津市長が開会のあいさつ
講演される竹内 章先生